島の航海日誌

日誌(毎日更新するとは言っていない)

【考察】金剛改型宇宙戦艦の艦番号について

前回の記事更新から2カ月近くずっと寝てました。島(178cm)です。

今日は『2202』の話をします。これまでこのブログでは、

『物語のテーマが…』みたいなマクロで抽象的な議題を多く取り扱ってきましたが、

今回はミクロな考察です。

 

議題は『金剛改型宇宙戦艦の艦番号』について。

 

金剛改型宇宙戦艦とは

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に登場した宇宙戦艦。

前作『2199』に登場した金剛型宇宙戦艦の設計をベースに、

主機関(次元波動エンジン)の換装や武装の強化が施された艦艇。

メタ的には前作ファンへのサービスやCGモデルの使い回しという要素も

多分に含まれている(島の偏見です)。

いわゆる波動砲艦隊を担う戦後第一世代艦、

アンドロメダ級・ドレッドノート級量産までの場繋ぎ的な立場の本艦。

劇中では第1話の8番浮遊大陸奪還作戦、第17話の土星沖海戦、

そして第25話の救助艦隊旗艦として複数隻が登場しました。

今回は彼女らのうち、艦名・艦番号が識別可能な艦を抜粋して、

建造計画の経緯なんかについて妄想したいと思います。

 

■考察材料たち

本編と睨めっこして得られた艦名・艦番号(※)は以下の通りです。

※『U.N.C.F.-00xxx-2201』の下3桁のみ抜粋

805 しまかぜ(本編では艦番号識別できず、全記録集より抜粋)

810 PHARRIS

812 艦名不詳(拡散波動砲発射の様子を司令部に中継していた艦)

824 TICONDEROGA

832 HUBBARDTON

857 SUGARLOAF

874 INDEPENDENCE

885 ゆうなぎ

 

昇順に並べてみましたが、特に番号と所属管区が紐づいている様子はなさそうですね。

ちなみに艦名は『しまかぜ』『ゆうなぎ』以外、

全てアメリカの海軍艦艇や地名から引用されているようです。

ちなみに第25話に登場した『わだつみ』なんですが、

本編を見たところ艦番号がシュガーローフと同じ『857』でした。

テクスチャ使い回したんですかね。ここは目を瞑ります。

 

『リバースシンドロームの実態把握に5年、

 ドックの建設に10年』

 

『2202』第3話より、キーマン中尉の台詞です。

『時代』の年表によると、時間断層が発見されたのは2201年に入ってから。

流石に、時間断層もない状態で金剛改型が800隻も量産されたとは考えにくいので、

現在の艦番号の規則に倣ってここは『金剛改型』という艦種識別だと捉えましょう。

(2199の村雨型に800番台がいますがこの際目を瞑ります)

 

さて、昇順に並べてみると、

800~830番台、850~880番台に集中(と言えるかは微妙ですが)しており、

艦番号にそこまでランダム性がないことがわかります。

 

また、特筆すべき点として

同じ極東管区所属の『しまかぜ』『ゆうなぎ』が80隻分近く離れています。

『みんなで金剛改型量産しようぜ!艦番号は早い者勝ちな!』

とはならないはずですから、きっとここには何かしらの背景があるハズ。

 

『画面に映ってないだけで…』とか『製作陣そこまで考えてないと思うよ』

みたいな意見は受け付けておりません。悪しからず。

 

■仮説:金剛改型と波動砲艦隊計画

金剛改型の設計変更…と聞いて、

多くの人が思い浮かべるのは恐らく金剛改Ⅱ型宇宙戦艦でしょう。

艦首の大口径陽電子衝撃砲を小型波動砲に換装したトンデモ戦艦。

劇中ではエンケラドゥス守備隊所属艦として湯水のように登場し、

沈められたり沈められたり波動砲を撃とうとして沈められたり…。

そもそもあのキャパで波動砲積めるのかよ、という考察は他に譲るとして、

ここで重要なのは『金剛改型に波動砲を搭載する方針が防衛軍内部にあった

という事実です。

 

『2202』に登場した金剛改型は、艦番号の正式表記の末尾に『2201』とあります。

同様に後に登場するアンドロメダ級が『2202』、

アンドロメダ改が『2203』となっている描写から逆算すると、

この4桁の数字は進宙年と考えるのが自然でしょう。

 

少なくとも85隻存在するであろう金剛改型宇宙戦艦は、

西暦2201年中に建造され進宙したようです。

 

さらに、小説版『2202』ではこんな描写も。

 

波動砲艦隊計画が承認されたのはいつだ?』

『……一年前だ』

 

第1巻からの抜粋です。

逆算すると波動砲艦隊計画の承認は2201年の冬、ということになりますね。

時間断層の軍事転用波動砲艦隊計画について

『2202』ではほとんど同一事象として語られがちですが、

自然に解釈するなら後者が先に提起されたはずです。例えば…

 

ヤマトの航海データから、広域殲滅兵器としての有用性が示された波動砲

当然軍内部では波動砲を搭載した艦艇群の大量配備を望む声が上がるが、

イスカンダルとの"条約"に起因する政治的問題、

そして物資を始めとする建造リソースの圧倒的枯渇を前に計画は難航。

しかし西暦2201年末、地球内部の地下空間に反重力特異点が発見され、

大艦巨砲主義者の絵空事と思われた波動砲艦隊計画は現実味を帯び始め…

 

という経緯があったのでは…?と予想しています。

同計画が結実したのは時間断層工廠の完成以降ですが、

その嚆矢となる思想は戦後から既にあったはず。

『2202』劇中においても、

軍需産業のオブザーバーの干渉に藤堂司令が苦慮している様子が描かれていました。

 

話を金剛改型宇宙戦艦に戻します。

波動砲艦隊における金剛改型といえば、皆さん思い浮かべるのが

『金剛改Ⅱ型宇宙戦艦』でしょう。

宇宙戦艦としての汎用性・冗長性を喪い、

もはや自動航行が可能な波動砲付き戦闘衛星とでも呼べそうな金剛改Ⅱ型宇宙戦艦。

その建造計画に、波動砲艦隊派閥が一枚噛んでいた…

という発想は決して飛躍していないはず。

 

さて、これを踏まえてもう一度冒頭の艦名一覧を振り返ってみましょう。

805 しまかぜ

810 PHARRIS

812 (艦名不詳)

824 TICONDEROGA

832 HUBBARDTON

857 SUGARLOAF

874 INDEPENDENCE

885 ゆうなぎ

 

先述した『しまかぜ』と『ゆうなぎ』の艦番号が離れすぎている…

という問題へのアンサーが見えてきた気がしませんか?

そう、今回の考察の一つの着地点は

『金剛改型には前期型(800~)と後期型(850~)が存在する』

という結論なんです。

 

金剛改型は、母体たる金剛型と比較して艦首陽電子衝撃砲の口径が拡大されています。

また、波動エンジンへの換装や三連装陽電子衝撃砲の採用も、

(軍事的リアリティはともかくとして)問題なく、

外観に変化のない範囲で実現されています。

 

『時代』の劇場パンフレットにおいて、金剛型宇宙戦艦には

国連宇宙海軍標準仕様の巡洋戦艦として設計された

AU艦』の日本艦隊仕様

という裏設定がデザイナーの玉盛先生によって付与されました。

小説版『2202』には金剛型宇宙戦艦をベースとした輸送船も描かれています。

言い換えれば、金剛型(=AU艦)は元来冗長性や運用柔軟性に優れた艦艇だったのです。

そのため、戦後波動エンジンへの換装を経た金剛改型が就役した後も

アップデートの可能性が模索され続けるのは当然。

 

波動砲を搭載した金剛改Ⅱ型はその一つの終着点でしょうが、

技術的系譜としてはやや飛躍しているように感じるのも事実。

しかし、金剛改型の一部にその橋渡しとなる艦艇が存在したとしたら?

波動砲搭載仕様の金剛改型宇宙戦艦』の建造、

それを後押しするに十分な戦闘データが得られそうな艦が存在したとしたら?

 

……存在するじゃないですか。

かつて地球が保有する唯一の波動砲搭載艦だった"ヤマト"乗組員が乗艦し、

彼らの指揮下で戦場を縦横に駆け巡った宇宙戦艦が。

 

そう、BBS-885"ゆうなぎ"です。

艦番号から推測するに金剛改型の中でも比較的後期に就役したであろう同艦。

実際、西暦2201年末の出来事である土方宙将更迭の折も、

古代君は艦長服を着ていません。

 

劇中では親友の島から

『また派手にやらかしたそうじゃないか』

とも評されていた古代艦長のことですから、

きっと本編以前から"ゆうなぎ"を振り回していたのは想像に難くありません。

波動砲艦隊派閥が欲する『艦首軸線砲を決戦兵器として用いた砲撃戦』のデータが

取れたかは怪しいですが、

『波動エンジン搭載・旧式戦艦の有用性』を示すデータは十二分に取れたはず。

 

…とまあ、闇雲に考察してたら本編との繋がりが見えてきたので

強引に着地させましたが、裏を返せばマジでそれだけです。

というかこの考察を始めたのも、

普通に自創作で金剛改型の艦番号を決める必要があったからです。

ちなみに次回作ではありません。まぁいずれ。

 

長々と引きずったわりに何とも締まらない感じですがいつものことです。

それでは僕は怪文書の執筆作業に戻りたいと思います。では。[終]