【ネタバレあり】『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』前章 -TAKE OFF-を観ました。
【はじめに】
交通費で手取りの3割がTAKE OFFした地方民・島(178cm)です。
万難を排して観てきましたよ。
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち
前章 -TAKE OFF-』。
上映初日、初回勢から遅れること2時間。
幸いにもネタバレには遭遇せず無事鑑賞できました。
とりあえず鑑賞前、シアターに同い年くらいの女子が
一人で(!)入ってきたのが衝撃でした。
新人クルーの声優さんがプロモーションを頑張っていたイメージがあるので、
その影響かな…とか。
何にせよ見かけや性別で判断するのは良くないですね。
他にも恐らく旧作世代であろうおじ様や半休をとってきたと思しきサラリーマンの方、
平日の昼間にも関わらず思っていた以上にお客さんがいた印象です。
まあ僕は普段あまり劇場に足を運ばないタイプなのであてにしないでください。
【2205総評】
結論から申し上げますと…100点満点でした。
発進シーン、何度見ても泣く。
キャラ、メカ共に魅せ方は申し分なく、
『新たなる』を軸に据えつつ『Ⅲ』の要素も多分に含め、
それでいて毛色の異なる『2199』『2202』という二つの作品に続く、
『リメイクヤマトシリーズ』最新作としてもまとめられた素晴らしい作品でした。
軽快なテンポで物語が進む…という事前情報から、
『2202の尺不足は解消されそうだけど、
全体的に矢継ぎ早で詰め込みすぎ、情報過多になってしまうのでは?』
と正直心配してました。
完全に杞憂でしたね。
シナリオやスタッフの趣味に基づいてキャラやメカが増えた『2202』と違い、
『2205』は新旧問わず既存のメカやキャラが絶妙に組み込まれており、
『ココで彼が登場するのか!』というファンサービスであるだけではなく、
物語の迷走、画面の複雑化を防いでいました。
『前作の積み重ねがある』という続編ならではの長所が、
新クルーの登場でキャラが一層増えた群像劇をすっきり、
わかりやすいものにしていたように思えます。
テンポ感のある作劇も、福井さんが中心となって手掛けた
濃密な脚本にマッチしていたように思えます。
それでいて見せるところはしっかりじっくり見せる…という緩急が、
『2202』以上に作品に『軽快』な印象を与えていました。
ただそれだけに情報量、
そして画面を通じて伝わってくる熱量は尋常なものではなく…。
正直鑑賞から数日が経とうとしている今でも、
(もちろんいい意味で)感想が整理できていないというのが正直なところです。
ただ、鉄は熱いうちに打てとも言いますし、
幾つか感想の軸が立てられたので今日はひとまず
【感想①『2202』の続編として】
【感想②土門竜介が愛おしい】
【感想③現実味を帯び始めるみやりゅー】
こちらの三本でお送りします。サ○エさんかな?
それはそうとここからは全然本編のネタバレ要素を含みます。
『2205』前章をまだ見ていないという方はココでブラウザバックしてくださいませ。
宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち
— 宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会 (@new_yamato_2199) 2021年10月8日
前章 -TAKE OFF-
新生ヤマト、出撃の時――!
本日より劇場上映開始⚓https://t.co/9YiHkjVDqF
本予告▶https://t.co/pg9WCCbNSH
冒頭14分▶https://t.co/6a2YczNj1J
新たなる宣伝会議▶https://t.co/5Sml48cKXq#宇宙戦艦ヤマト pic.twitter.com/z1e506s0Ga
クッションを兼ねた宣伝。
……さて、御人払いも済んだところで。
【感想①『2202』の続編として】
『2205』の前作にあたる作品『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』。
今年初夏に公開された総集編にあたる劇場作品、
『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』による
再構築(再解釈)がなされたとはいえ、正直その評判は芳しくないものでした。
人間ってネガティブな出来事の方が印象に残りやすいですからね。
『2205』に際しても不安を抱いていた人は多いんじゃないでしょうか。
ただ『2205』前章からは、
僕が『2202』に対して抱いた『人を選びそうだな』という印象は
一切感じませんでした。
実際『2202』に批判的なヤマトファンの方が『2205』を絶賛されていたり、
5chのヤマト総合スレの空気が180度変わっていた…という情報も入っています。
ただ、決して『2202』の情報が全て省かれたわけではありません。
あのメカやあのキャラを見るだけで2202の負の記憶が蘇る!』
という過激派の方にはツラいものがあるのかもしれませんが。
『2205』ではしっかり取捨選択を経た上で、
物語に必要な範囲で要素が登場します。
各演習の舞台などがその例ですね。
“滅びの方舟”によって破壊された月軌道の暗礁宙域は、
デブリが多い宙域での空戦模擬演習に。
白色彗星に蹂躙され、ガス乱流が吹き荒れる土星沖は、
機動甲冑と航空機の連携による降下訓練に。
そして第11番惑星沖の無数のカラクルムが漂う宙域は
対艦戦闘訓練に。
単なるファンサービスではなく、
『登場させるための理由付け』をしっかり詰めてくれる辺りが、
『2199』路線への回帰を感じさせてくれて嬉しかったです。
この辺りは、スタッフの小倉信也さんの肩書が『SF考証』から『設定考証』に
変わっていた点にも象徴されているように思えます。
本日よりイベント上映公開始まりました『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』
— 小倉信也 (@ogu_tan) 2021年10月8日
前作『2202』では“SF考証”と言う肩書でしたが、本作今回から小倉は、皆川ゆか先生( @minakawayuka )と連名で“設定考証”として携わっております!
色々と仕掛けましたので、どうぞよろしくお願いいたします。。。 https://t.co/QSB4XZv70j
先ほどの総評でも話しましたが、
『既にあるものを調理する』という手法への回帰が
リメイクファンとしては嬉しかったですね。
舞台設定だけではなく、キャラクターやメカもしっかり続投しています。
まずは波動実験艦銀河。
よく見ると『2205』版銀河、若干デザイン変わってるんですよね。それはともかく…
地球(ヤマト)からすれば複雑な立場にある藪の行動経路としては、
なかなか面白いというか、『ありそう』なところをついてきたな…と。
正直厄介払い的な側面も感じなくはないというか、
銀河の『日陰者』的な立ち位置含めて好きなファンとしては
思わずニヤリとしてしまいました。
劇中後半、軌道を逸脱して暴走を始めたイスカンダルの観測に際して、
探査船として設計された銀河の本領が発揮されたのも嬉しかったですね。
また、ヤマトが藪を受領した後の別離。
征くヤマトと見送る銀河、銀河ツートップと艦長室に立つ古代&山南の敬礼…
という構図。
『2199』でヤマトを見送るキリシマや、
『2202』第六章のあんなシーンやこんなシーンが思い起こされ、
思わず胸が熱くなりました。
なんかもう最近は佐藤利奈さんの声だけで泣けるようになってきた。
あとは再び旅立つヤマトを見送る加藤母子。
無言でコスモタイガーを捧げる翼君の目元に父親の面影を感じつつも、
幼いながらに父親の死を受け容れようとしているんだろうな…と、
目頭が熱くなりました。
そのあとに入るささき御大のお声がまあ泣かせること…(脱線
【感想②土門竜介が愛おしい】
他人には理解できない闇を抱えているキャラが大好きです。
そんな僕が一番ぶっ刺さったのが土門竜介でした。
天涯孤独という出自に基因する、執拗なまでに描かれる孤独。
多感な時期でもある2年の間に蓄積された闇は、
同期の仲間たちですら踏み入れないほど深い。
それでいて若い分、
経歴の改ざんや反乱といった直接的な行動に出てしまうんだろうな…と。
個人的にはヤマトに乗り込む前、
家族との別れを惜しむ同期を尻目に歩き去ってく時の口元が好きです。
このシーンに限らず、全体的に歯を食いしばっているというか
不満なんだけどそれを堪えているような、
太助君の言葉を借りると『思い詰めた』表情が印象的。
こういう節々に若さを感じられる描写がいいですよね。
行動力に責任が伴うキャラが好きです。
単なるトラブルメーカーであるわけではない、
自分でやったことはちゃんと落とし前をつける。
そんな真面目なキャラが好きです。
第4話での反乱時、得意分野である艦内ダメコンの改竄を板東に任せて、
自分は一番リスクの高い高官の連行任務にあたる男気。
反乱鎮圧後古代に指摘された通り、
全てを自分(たち)だけで背負おうとする孤独に裏打ちされた頑固さ。
どんなに裏切られても同胞を見捨てないキャラが大好きです。
確かに絵空事、綺麗ごとかもしれない。
それでも彼らの、『大人たち』の考えを変えたい、
という信念は決して敵愾心ではない。
『変わってくれる』『着いてきてくれる』…という、
信頼にも似た確信があるからこそ、
時には無謀ともいえる行動に走ってしまう。
そんな表裏一体ともいえる期待に引き起こされた反逆を受け止められた時の、
どこか憑き物が落ちたような表情。
この表情にこそ、土門竜介という青年の本心が詰まっているように思えます。
第4話での太助の熱い言葉に身が震えました。この動画を作ったタイミングが絶妙すぎる。
幾度か申している通り、僕はリメイクシリーズから『ヤマト』に入りました。
『2199』『2202』で古代進という男の人となりを知っているからこそ、
その似姿である土門竜介の成長に今から期待が膨らんでいます。
ある意味旧作世代の追体験ができていると思うと、嬉しいですね。
【感想③現実味を帯び始めるみやりゅー】
さて、島(178cm)が『2205』に求めていた要素と言えば…
そう。みやりゅーですね。
※みやりゅーとは:京塚みやこと土門竜介のカップリングである。
今でこそ次世代主人公とヒロインという立場が定着して久しいが、
恐ろしいことに島は6月15日時点で既にその可能性を模索していた。
2199第1話のオマージュで、負傷して佐渡先生に手当てしてもらってる古代の元に土門が怒鳴り込みに来てそこに止めに入る…みたいな? https://t.co/oDqE1duwoE
— 島(178cm)🏝 (@Mudani178cm) 2021年6月15日
結論から言います。ワンチャンあります。
まずは僕がTwitterで口を酸っぱくして言及していた
『発進シーンが終わっても気を抜くな』『34分53秒』のシーンです。
だそうです!!!!!!!円盤買った人!!!!!!! https://t.co/eibDXdBLEc
— 島(178cm)🏝 (@Mudani178cm) 2021年10月9日
ありがとうゆりあんさん
土門君が古代を見極めようとヤマトに乗艦するため、
その障壁となる父親の死の経歴を改竄していた事実が発覚し、
医務室で身体検査を受けた(であろう)あとのシーン。
『どうしてこんな…バレないとでも思ったの?バカだよ土門くん…!』
『何で一人で…』
見ての通り京塚さんが土門くんに小言を言っています。
ありがとうございます。
逞しいカプ厨なので2人が同じ画面にいるだけで満足です。
…俺がそんな薄い感想で終わると思いました?
デザリアムハンマーの如く深掘りしていきますよ。
まずは敢えてこの2人を『2人きりで』医務室に残した佐渡先生の采配。
土門君は壮行式の場で古代艦長直々に操艦を命じられ、
そのせいで出航時間も繰り上げられ…と、
事情を知らない人からすれば完全なトラブルメーカー扱い。
実際、ヤマトの第一艦橋に立ち入った土門君は完全に針の筵状態でしたね。
かわいい。
検査結果である『体内に爆薬や異物なし』というセリフから逆算すると、
それまで土門君は危険人物としてマークされていたということ。
非常事態を想定して、フル装備の保安部が周囲を固めていても
おかしくはなかったでしょう。
しかし実際同室にいたのはたった一人、それも丸腰の衛生士だけ…。
これは土門君の精神面を少しでも慮った佐渡先生なりの気遣いだったんじゃないかな…
と思っています。
ココで周囲を重武装の兵士に固められたら、
古代やヤマトへの不信感がより一層強まってしまうかもしれない。
だからこそ同期の京塚さんと2人きりにさせてやることで、
頭を冷やしてもらおうと一計を案じた…
という解釈ですがいかがでしょうか。
まあ実際、土門君は星名に声をかけられるまで沈黙を貫き、
京塚さんの小言(+気配り)含めて効果のほどは今一つでしたが…。
続いてはそんな小言に関する考察です。
皆さんは、自分の友人が天涯孤独になって思い詰めており、
取り返しのつかない行動に走ってしまった時にどう声をかけますか?
悪行を責めたり、同情したり…。
様々でしょうが、相手が『一人で思い悩んでいた』ことに触れるのって
結構難しくないですか?
個人差はあるでしょうが、家族は唯一無二の存在。
その存在を喪った相手にとって
『何で一人で(抱え込んでいたの)…』という言葉がどれだけ重たいか。
僕としては少なくとも『親友』以上の間柄でないとそんなことを言える気はしません。
実際、『2202』で思い詰めた古代に対して島が
『支えてもらうことは恥じゃないだろ』と言ってのけるシーンがあります。
ガミラス戦争で肉親を喪い、新たな家族である雪との関係も不安定になりつつある中、
古代進にそんな言葉をかけられるのは親友である島だけでしょう。
もちろん京塚さんが『鎹』らしく、甲斐甲斐しい世話焼きな性格だから…
という理由もあるでしょう。
ただ、天涯孤独の土門君にあそこまで踏み込んだ発言をできるのは、
只事ではなさそう。
『家族の代わりに土門君を支えてあげたいという覚悟』
…というのは妄想が過ぎますね。失礼しました。
続いては土門君の軍籍剥奪と強制送還が決まった後、
京塚さんと板東・太助コンビが三人で会話するシーンです。
まずは京塚さんのデスクに置かれている同期の記念写真。
『2205』の新人クルー、結構家族絡みの設定が多いんですよね。
徳川彦左衛門を父親に持つ太助君を始め、
ガトランティス戦役でアキレスに乗り組んでいた父を喪った板東、
外交官の父親とは疎遠だという雷電、
そして時間断層の崩壊の煽りで父親が死を選んだ土門…。
みやこちゃん、新世代の古雪という構図をそのまま当てはめると何となく旧作準拠で両親ともに健在そうな気もするけど、周りの例に漏れず肉親を失ってたり天涯孤独だったりしたらそれはそれで重いというか、もう家族にしてやれない分同期に優しくしてるとかだと良くないですか…
— 島(178cm)🏝 (@Mudani178cm) 2021年10月3日
以前おふざけでこんなツイートをしたのですが、
『家族』とのエピソードが強調されている新人クルーの中で
京塚さんがわざわざデスクに『同期』との写真を置いている…。
先述の『何で一人で…』の台詞が、
同じ境遇を理解できる身の上から発されていたとしたら?
京塚さんが同期に優しくしている理由が、
家族にはもう二度としてやれないから…だとしたら?
どこかで掘り下げてほしいな。京塚さんの過去。
あとは『土門の笑顔』が話題に上った時の京塚さんの表情。
これはもう明らかに恋する乙女の表情ですね。はい。(投げやり)
見返すとさっきのシーンで土門君が座ってる場所のちょうど隣辺りに座ってますね。
そこは別にいいだろ。
書いてて流石に自分が気持ち悪くなってきました。
他にもみやりゅー周りで気になった点をいくつか列挙すると、
・土門君周りの話題だと引きの絵でも頬に差し色が入ってる
・この2人だけ記念写真以外での笑顔のシーンがない
・京塚さんが名前を呼んでいる相手が土門くんだけ(要詳細検証)
・第4話は土門君のカットにOFFで京塚さんの台詞が入ったり、
京塚さんの反論に土門君が割って入ったり…と
みやりゅーを切り取った場面が多い(こじつけ)
…って感じですかね。
正直世話焼きだったり『鎹』としての性格故…
と片付けられる気がしないでもないですが、
カプ厨の戯言ということでどうかお目こぼしをくださいませ。
【終わりに】
後半はほとんどみやりゅー怪文書になってしまいましたが、
お楽しみいただけましたでしょうか。
総じて期待値が高い作品だったので、『後章-STASHA-』 、
そしてその先の作品も…と今から楽しみでなりません。
痺れるぅ。
個人的に後章は新ピカまで遠征して博多焼きヤマトにもお邪魔したいな…
なんて思いつつ、今回はこの辺りで筆を置かせていただきます。
あ、最後に一つ宣伝を。
来週の土曜日に2205座談会スペースをしようかなと思ってるので興味がある方は是非に。本当は明日の方がよかったんだけど多分見てる人少ないし展示会もあるので来週ということで。また人来すぎて落ちたら誰かホスト代行お願いします()
— 龍@西条一曹推し (@miki_2199_2202_) 2021年10月9日
※TL上でのネタバレ防止の観点からコメントはDMでお願いします pic.twitter.com/pxAcIW0Z0n
来週末の10月16日(土)22:00~の日程で、
模型展示会での動画上映などでたびたび懇意にしてもらっている
フォロワーの龍くんが
『ネタバレオンリーヤマトーク
宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-篇』
と題したTwitterスペースを開催する模様です。
僕もスピーカーとして参加予定ですので、皆さまぜひ見に来ていただければ。
…え?
それではまた。【終】